信用取引をしている方は、保有している有価証券を代用有価証券として担保に設定されている方も多いと思います。代用有価証券の中には、含み損で塩漬けになっている銘柄もあると思います。
塩漬け銘柄の有効活用法として、従来は、「貸株」か「代用有価証券」の二択だったわけですが、
・「貸株」と「代用有価証券」を同時に使えればもっと資金効率が良くなるのになあ
と考えていた方もいると思います。
そんなニーズに応えるべく、松井証券が、2019/12/21から「貸株サービス」の拡充をして、
信用取引で担保にしている株式(代用有価証券)を貸株サービスで利用すること
ができるようになりました。
他の大手ネット証券ではまだ始まっていないサービスです。メリットも大きいので、紹介したいと思います。
Contents
【松井証券】信用取引の代用有価証券を貸株として使えるサービス
冒頭に申し上げたとおり、松井証券では、
信用取引で担保にしている株式(代用有価証券)を貸株サービスで利用すること
ができるようになりました。サービスの内容について詳しく見ていきましょう。
貸株サービスとは
まず最初に貸株サービスについて少し説明しておきましょう。
貸株サービスは、保有している貸株対象銘柄を証券会社(松井証券)に貸し付けることで、貸し付けた株式に応じた「貸株金利」を受け取ることができるサービスです。
(画像引用:松井証券HP)
例えば、含み損で塩漬けにしている銘柄などは、貸株サービスを使えば、少しでも金利を受け取ることができます。
銘柄によっては1%を超える高金利が得られることもありますので、資金の有効活用ができますね。
代用有価証券が貸株サービスに追加
松井証券では、今回のサービス拡充で、
現物株式に限定していた貸株サービスを、信用取引口座を保有の方にも提供範囲を拡大しています。
これにより、信用取引の担保としている株式(代用有価証券)を活用して貸株金利を受け取ることができるようになりました。
ポイントは、以下の2点です。
・信用取引の担保にしている株式も、貸株サービスで貸付可能
・貸株サービスと同時に信用取引をおこなっても、維持率や新規建余力に影響がない。
イメージは以下の図が分かりやすいと思います。
(画像引用:松井証券HP)
松井証券の公表資料によると、ネット証券大手5社ではこのサービスを提供しているのは、松井証券だけです。auカブコム証券も同様のサービスを提供していますが、代用有価証券が貸付(取引が成立)された日数に応じて貸付還元料が支払われるという点が異なります。
松井証券 | SBI証券 | 楽天証券 | マネックス 証券 | auカブコム 証券 | |
---|---|---|---|---|---|
信用取引口座との併用 | 〇 | 〇 | 〇 | × | 〇 |
代用有価証券の貸付 | 〇 | × | × | × | △ |
(参考)貸株高金利銘柄の一覧(2020/1/22)
貸株を利用することで、得られる金利は最低0.2%ですが、5%と高金利の貸株もあります。この記事を作成した時点での高金利銘柄の一覧(金利2%以上)です。
高金利が適用される銘柄は、日々変わりますので、参考程度に見てください。
銘柄コード | 銘柄名 | 金利 |
---|---|---|
4425 | Kudan | 5.00% |
2351 | ASJ | 4.00% |
3053 | ペッパーフードサービス | 4.00% |
3906 | ALBERT | 4.00% |
1435 | TATERU | 2.00% |
3356 | テリロジー | 2.00% |
3541 | 農業総合研究所 | 2.00% |
3667 | enish | 2.00% |
3825 | リミックスポイント | 2.00% |
3962 | チェンジ | 2.00% |
3990 | UUUM | 2.00% |
3996 | サインポスト | 2.00% |
4800 | オリコン | 2.00% |
5302 | 日本カーボン | 2.00% |
6033 | エクストリーム | 2.00% |
6067 | インパクトホールディングス | 2.00% |
6166 | 中村超硬 | 2.00% |
6232 | 自律制御システム研究所 | 2.00% |
6240 | ヤマシンフィルタ | 2.00% |
6572 | RPAホールディングス | 2.00% |
6740 | ジャパンディスプレイ | 2.00% |
貸株サービス利用時のリスク・留意事項
貸株サービスを使うときの主なリスクと留意点をお伝えしたいと思います。主なポイントは以下のとおりです。
・信用リスク
・貸出先の破綻
・投資者保護基金の対象外
・株主優待、議決権、株主提案権等は付与されない
順番に説明していきます。
信用リスク
貸株サービスは、株式の保有者から、証券会社へ株式を貸し付けます。お金を貸すこととほぼ同じと考えてください。
証券会社へは無担保で貸し付けますので、貸付先の証券会社が何らかの理由で、破綻(はたん)した場合、貸し付けた株式が戻ってこないという、信用リスクがあることを理解しておきましょう。
貸出先の破綻
貸し付けた証券会社の破綻についての信用リスクをお伝えしましたが、証券会社が株式を貸出た先が破たんした場合もリスクがあります。
貸出先が破たんした場合、証券会社が株券等を調達して返却されますが、期日に間に合わない場合に、株主優待、議決権等の権利を、取得できないことがあります。
投資者保護基金の対象外
貸株サービスは、証券会社による分別保管の対象外となるため、投資者保護基金の対象となりません。
株主優待、議決権、株主提案権等は付与されない
貸株サービスを利用している場合、株主優待や株主総会の議決権を取得できません。取得するためには権利確定日に一旦返却する設定が必要です。
貸株サービスの権利取得設定を使えば、権利取得をすることができます。
まとめ
いかがでしょうか。
信用取引での代用有価証券の貸株での活用について、松井証券で始まったサービスをご紹介してきました。
信用取引で担保にしている株式(代用有価証券)を貸株サービスで利用することができるようになったことで、より資金の有効活用ができるようになりました。
貸株サービスのリスクも理解した上で、有効に活用していきたいですね。
この記事が何かの役に立てば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。
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