資産形成には投資信託の積立投資が良い、という話はよく聞きますよね。でも、資産形成した後にいざお金を使いますというタイミングを考えると、
・投資信託っていつ売れば良いのだろう?売り時ってあるのかな?
・売るタイミングを見極める方法は?
という疑問がでてくると思います。この記事ではこれらの疑問にお答えしていきたいと思います。
Contents
投資信託の売り時はいつ?売るタイミングを見極める方法
投資信託で運用をしていると、いつ売れば良いのかわからないということがあると思います。
利益が出ていたのに、みるみる価格が下がり含み損になってしまった経験がある人ほど、含み益になった場合、利益確定をしたくなるものです。
いつ売るのが良いのでしょうか。
結論から言えば、売ろうと決めた時です。順番に説明していきます。
売り時の見極めは難しい
相場の天井を見極めて売ることは難しいです。投資を専門にやっているプロで天井をぴたりと当てることは100%無理と言ってもよいでしょう。
例えば、日経平均に投資していた場合、現時点での天井はバブル時の最高値「38,957円44銭」になります。
一方、米国を見てみると、株式市場は一貫して上昇をし続けています。ここ数日でも最高値更新というニュースが入ってきます。
つまり、バブル以前から日米の株式に分散投資していた場合、バブル絶頂の最高値で売却できたとしても、天井だったとは言えないわけです。
中期、長期で見たときや将来を考えると今が天井かどうかなんてわからないです。ですので、売り時を見極めるというよりは、売却をするためのルールを作るということが大切です。
例えば、以下のようなルールです。
・何パーセントで利益確定/損切りというラインを決めて売る
・必要になったら売る
・目標金額に到達したら売る
・積立の逆で定期的に取り崩す定期売却
売却するためのルールについて順番に見ていきましょう。
投信の売り時①:何パーセントで利益確定/損切りというラインを決めて売る
投資信託を売るルールの一つ目は、利益確定or損切りのラインをあらかじめ決めておくことです。例えば、以下のような感じです。
・購入価額より、10%以上上昇したら売却して利益を確定する
・購入価額より、5%以上下落したら売却して損切りをする
何パーセントのところは、何が一番いいかという答えはありませんので、各自で決めて良いと思います。
投資信託がどのような金融資産に投資をするかによって、変動率がかわりますので、値動きの激しいものについては幅を持って設定した方が良いですね(ちょっと下に振れただけで損切りカットになってしまうので)
投信の売り時②:必要になったら売る
必要になったら売る。とてもシンプルです。
家の購入、結婚、出産、引っ越し、など様々な理由でまとまったお金が必要になる時があると思います。そういったタイミングで売るとあらかじめ決めておけば迷いなく売ることができると思います。
投信の売り時③:目標金額に到達したら売る
投資を始める際に目標金額をあらかじめ決めておくという方法もあります。
積立投資のようなものをイメージしていくと良いと思いますが、積立期間何年、目標額いくらと決めておきます。
目標が達成されたところですっぱりと売却してしまいましょう。
投信の売り時④:積立の逆で定期的に取り崩す定期売却
投信を積み立てることは考えるけど、出来上がった資産を徐々に取り崩すということはあまり考えられていません。
定期的に投資信託を売却していく「定期売却」は、積立とは逆のことをやります。定期売却のメリットは以下のとおりです。
・定年退職後の年金代わりなる
・売却のタイミングに悩まない
・定期的に売却することで、利益を安定化できる
順番に説明していきます。
定年退職後の年金代わりなる
長期間育てた資産である投資信託を、運用を継続しながら年金代わりに受け取ることができます。
定年退職後には公的年金の他に毎月投資信託の取り崩しが収入として入ってくるのは大きいですよね。
売却のタイミングに悩まない
相場の天井や底をピタリと当てるのはプロでも至難の業です。
今後の値動きがどうなるかわからないという方は、定期売却サービスを利用することで売却のタイミングに悩まずに機械的に売却する事ができます。
定期的に売却することで、利益を安定化できる
先ほど、定口売却と定額売却の比較をしましたが、いずれの方法にしても、定期的な売却を行うことで、利益が安定します。
一括で相場の底で売ってしまったということもなく、その後の相場上昇などのメリットも取ることができます。
投資信託の売り時についての注意点
投資信託の売り時について考えてきましたが、最後は、売る時の注意点をお伝えしておきます。ポイントは以下の2点です。
・売却したら値動きを追わない
・長期で投資を続けるなら利益確定は先送りが賢明
売却したら値動きを追わない
投資信託を売却したら、値動きを追わないようにしましょう。
値動きを見ていると、その後値上がりした場合、もっと高くなってから売れば良かったと後悔してしまいます。その逆も(損をすること)もあり得るのですが、人間は取り損ねた利益の方がもったいなく感じてしまうようです。
まだ上がるかもしれないと高値で買戻して、その後値下がりしてしまうということが無いように、売却したら値動きを追わないようにしましょう。
長期で投資を続けるなら利益確定は先送りが賢明
この記事では、売り時を見てきましたが、中長期で投資を続けていこうという方には利益確定はあまりお勧めできません。
というのも、利益確定をすると、利益に約2割の課税がされるため、以下の効果が得られなくなってしまうためです。
・課税の繰り延べ効果
・複利効果
簡単に考えてみましょう。以下の表は、単価が上がるごとに利益確定をしてもう一度買い戻すを繰り返す「利益確定する」タイプと利益確定をしないで持ち続ける「利益確定しない」タイプの差を見たものです。単価が同じように50円上昇していても、資産額に差がでています。これは、利益に対する20%の課税などの差がでているということです。
ですから長期で投資をするつもりの方は、安易に利益確定はしないで、そのまま保有するのが良いと思いますよ。
まとめ
いかがでしょうか。
この記事では、
・投資信託っていつ売れば良いのだろう?売り時ってあるのかな?
・売るタイミングを見極める方法は?
という疑問にお答えしてきました。
中期、長期で見たときや将来を考えると今が天井かどうかなんてわからないです。ですので、売り時を見極めるというよりは、売却をするためのルールを作るということが大切だということをお伝えしてきました。
また、売却するときの注意点もお伝えしてきました。いろいろな方法がありますので、ご自分に合った方法で売却のタイミングを考えていただくと良いと思います。
この記事が何かの役に立てば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。
チャート分析で売り時を見極めたい方は以下の本が参考になるかもしれませんね。
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